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2017.7.11

少年がミルク「空砲一揆アノニマス」

皆さんこんばんわ、codomomental(W)です。深夜です。

 

今日のタイトルは少年がミルク3rdミニアルバム「空砲一揆アノニマス」について。

少年がミルク3rdミニアルバム「空砲一揆アノニマス」

© 少年がミルク

皆さん手にとって聴いてくれていますでしょうか?

 

発売は5/24(水)でした。有難い事に増刷もしておりまして皆さんの元に沢山届いてるのかなと思っています。

 

こちらの3rdミニアルバム、3部作の最後という感じで作った盤でした。最初は昨年出した1stミニアルバム「KYOKUTO参番地セピア座」、そこから今年の2月に出した2ndミニアルバム「GYUNYU革命」、今回が3部作の最後「空砲一揆アノニマス」です。

 

まず

 

Skrem! インタビュー

 

ナタリーインタビュー

 

もう1度こちらの2つのインタビューを、音楽を聴きながら読んでもらいたいなって思います。核心についた事を沢山本人が言ってるので。その上で、この僕の勝手な感想を書いていきます。

 

少年がミルク1stミニアルバム「KYOKUTO参番地セピア座」

© 少年がミルク

少年がミルク2ndミニアルバム「GYUNYU革命」

© 少年がミルク

と。

 

今回の3部作について、制作途中で突然ミルクが言い出したんです。「これ、わたしにとってラブソングのコンセプトだから」って。その時出来上がってた楽曲は2曲か3曲だったんですよね。で、僕は「そうなんだ」って笑って言った覚えがあります。

 

少年がミルクって人は本当に変わった人で、僕は彼女の才能に惚れてコドモメンタルというものを作ったわけなんですが、今回も遺憾なく発揮されていまして。まず僕は職業柄この業界の色んな人の音楽をこの耳で聴きますが、この世界の中に少年がミルクみたいなアーティストが存在しないこと。ここは正直ずっと前からそうなんですが、ここに気づいてくれる人が多くありませんでした。

 

まず声が変。

 

声が変と言えばそれまでだけども、出会った時から声は変でした。でも僕にとっては「変わりが一切いない声」でした。彼女にどんな才能があろうとも、この声がなかったら僕は全てを投げ打ってこの世界に戻ってきたりしませんでした。逆を言えば、彼女の声が在ったからコドモメンタルってものが出来ました。それだけこの声に全てを持っていかれました。

 

小さな頃からこの声でイジメられてきた彼女は、大人になって「歌いたい…かもしれない。でもそんな事を言ったら周りの人に何を言われるのかわからない」と思ってたようです。結果的に僕は彼女の運命を180度捻じ曲げてここまで来てしまったわけだけども、わからないけども、それで良かったんじゃないかって最近ようやく思えるようになりました。話が逸れた。

 

そして歌詞が唯一無二。

 

ここも彼女の独特な感性を存分に発揮している点。表情は1日1日全く違う、まるでそれはコドモのようで、少女のようで、少年のようで、時にヒリヒリさせるし時にドキッとさせるし、時にどん底まで突き落とすし、時に泣けてしまうし。彼女の作詞能力がここまで顕著に現れるようになった事は、僕も長い付き合いの中でとても嬉しく思う事の一つです。「なんでこんな歌詞が出てくるんだろう」「このメロにどうやってこの言葉はめるんだろう」それはワクワクさせてくれてドキドキさせてくれるもの。

 

REC時の楽しみの一つで、ディレクションする時に「こんな感じで」って言ったり言わなかったりするんだけど、一通り歌ってもらってからその楽曲をどんな風に作り上げようかってすごく楽しく考える事が出来る。じゃあもっと「◯◯のように」って要求になんなく答えてきて、あっちもいい、こっちもいい、じゃあこっちは活かしてこっちを変えて、みたいにディレクションの幅が一気に増えてくる。合わせて、自分でこんな風に歌いたいってのも彼女の中には明確にあって、じゃあそれやってみてよって言ったらこれがまたびっくりするくらい良かったりして。

 

制作期間はあっという間に過ぎていった。それがこの「空砲一揆アノニマス」ってミニアルバムだった。

 

少年がミルク「I love you」Official MusicVideo

気づけば解禁から1ヶ月半くらいで13万回再生されていてとても嬉しく思います。MVの事も色々あって。

 

相変わらず少年がミルクのMV制作は少年がミルクとKOH ISHIGURO(ミルクの兄)とやるんだけど、MVに関してこーへーが「狐の嫁入り」が見えるみたいな事言ってて。僕は聞いた時「あ、わかるかも」って思ってて、でもどう見せるか決まってなかったので結構最初無視してて。ミルク自身もとても変わった感性を元々持ってて、それに関する意見をこーへー(KOH ISHI GURO)と出し合ってるんだけど感性が飛び過ぎているので、いつもそこで僕が入って「では、この方向で」って勝手にまとめちゃうんだよね。

 

予算が鬼のようにあったらいつかこの2人だけに任せてみたいものなんだけど、そうゆうわけにもいかないので”どうしたら一人でも多くの人に見てもらえて尚且つ世界観が壊れないようにわかりやすく提示するか”ってところが少年がミルクの制作に一番気を使うところで。今回のこの「I love you」はそこのところ上手くいったんじゃないかなと思ってる。

 

スタジオに関するプロデュースは僕が考えてやって、狐に関しては皆で考えながら編集もやっていって。少年がミルク3rdミニアルバム「空砲一揆アノニマス」のリード曲に相応しいMVになったんじゃないかと思っています。

 

それから衣装が素晴らしいんだよ。これいつもあんまり言わないようにしてるんだけど、多分本人たちはそこまで考えたかわからないんだけど、本当によく出来ている。スタイリングも申し分ない。よくやってくれたと思いました。衣装はもちろんKOH ISHIGUROとLINKAのTAKA(この男がコドモメンタルINC.全ての服関係をやってくれている馬車馬のように笑)と少年がミルクで決めてるんだけどね、素敵でした。

 

あ、長くなってきた。

 

皆は5曲中どの曲が好きですか?

M1:I love you
M2:qualia
M3:アンチラブソングヒーロー
M4:聴こえないくにのくちづけ
M5:軽蔑

 

僕は全曲大好きだけども。

 

M2の「qualia」はとても新しくて好きだな。いや楽曲自体はオルタナティブなロックに入ってくるのかもしれないけど、楽曲と歌詞の整合性がとても面白くていいなと思ってて、その上で歌がとてもいい。歌詞を見た時、ん、最高って思ったくらい。漫画の1ページをめくってるように楽曲が聴けるんだよね、それも少しヒリヒリするヴィレヴァンの片隅にあるような金額高めの大きい漫画。まぁ全体的にそうかもしれないけど、特にそんな感じがする。僕はこの曲が出来てからヴィレヴァンでそんなような本を買ってない。この曲に勝てないので笑

 

M3の「アンチラブソングヒーロー」は元々少年がミルクが持ってるPOPS性が全面に出てていい。LIVEのセットリストでも面白い場所に入れる事が出来る。みつが弾いたギターのフレーズもミルクにとても合っていて好きだな。LIVEでは冒頭ハヤシ君の見せ場もあるし注目ですよ。なにより「コンビニにもなくて iTunesにもないの 愛は不器用なだけ じゃあもう誰が歌うんだよ」って歌詞最高です。

 

M4の「聴こえないくにのくちづけ」はこれ楽曲が和樹(水谷)から来た時に”名曲にしかならないでしょ”って普通に確信した楽曲。僕は外に居る時必ず聴くなぁ。歌詞を書き上げた時、この盤のタイトルを決めようって事で事務所に来てた少年がミルクに「これちょっと歌ってよ」って言ったらすすって歌ってくれたんだよね。ふわふわ歌ってくれたんだけどそれが凄くすごくよくてRECではそんな感じで頼むよって言ったの。1回そんな感じで歌ってもらって、そしたらミルクが「いやちょっと試してみたいのがあるんだ」って言って録ったのがこの2テイク目。そのままOKにしました。女の子と女の子のあいのうたっての僕はとても好きです。

 

M5の「軽蔑」珍しく歌詞が上がってきた時点でこの「軽蔑」ってタイトルが決まってた。もちろん(仮)として。歌詞見て震えた。まず入りの歌詞の「刺し違えた会話の後に〜」なにそれ超あるんですけど笑 わかり過ぎるってなって。少年がミルクもそうだけど、ひねくれ者って寂しがり屋なんですよ。本人は違うって言うかもしんないけど、絶対にそうで。それで言ったら水谷和樹も100%そうだし、少年がミルクも100%そうだし、なんなら僕もそうです。でもその寂しがり屋感が100周くらいしてもうこじらせる限界を超えたのが僕らだったりして、そうすると制作もあまり会話しないみたいになるんですけど、結構それでいいやって思ってるんです僕は。

 

稀に制作に関するちょっとした会議みたいなものしたりするんだけど、そうすると結構内容も薄かったりして。それは何故かなぁって思ってたんだけど、皆”作品”と向き合う以外の方法で他人とコミュニケーションがはかれないんですよね笑 残念な事に。言葉でああだこうだ言ってもダメで、だからこそ音楽で提示してくるみたいな。これは僕も和樹もミルクもsyva君もハヤシ君もそうで笑 あーバンド隊もそうだ、皆そう。

 

だから言いたい事もぜんぶ音楽に詰め込んでくる。音楽で話をしてる。対話の最後に少年がミルクが「交わらなくていい」って締めくくるんですけど、そんな事ってある?笑 僕は最高に笑ったし最高に痺れたんだよね。直接的な解釈じゃない。そんな次元の話ではなくて。なんてひねくれた子なんでしょう笑

 

でもLIVEでこの曲を歌ってるミルクが僕はとても好きなんです。何にとか誰にじゃなくきっと僕はこの業界にってのが一番強いだと思ってる。「違うよ」って言われるかもしれないけど、そんなのは知らない、僕はそう思いたいからそう勝手に思ってる。だってそうして一緒に戦ってきたから。

 

そして

 

M1の「I love you」ね。少年がミルクから「愛がコンセプト」だと聞く前に出来て、タイトルも歌詞を見て「I love you」でいこうって言った。何故そんな事を言ったんだろう、今でも少し不思議に思ってる。だって僕はこんなタイトル絶対につけないし、良しとしない人間なので。それはコドモメンタルINC.から出てる音楽のタイトルを見てもらったらわかると思うんだけどね。でもこれでいこうって言ったんだよね。

 

僕はこの「I love you」というタイトルがついてる楽曲たちに関してあまり好きな印象はない。でも言葉としてはとても大好きで。幾億人がこの言葉を使ってきたかわからないよね。もっとかな。でもそんな使い古された言葉をタイトルにつけたかったのは、この言葉がついた楽曲で好きなものが欲しかったからかもしれない。自分の大好きなアーティストのリード曲だったら一生忘れないし一生聴き続けるもんね。事実そんな1曲になってくれたと思います。

 

個人的に「NAKED」というフレーズが聴く感情によって「ねぇきっと」にも聴こえてくるのが大好きです。いつか野外FESなんかでも聴きたいです。よろしくどうぞ。

© 少年がミルク

長くなりました。ごめんなさい。

 

今回記事を書いたのは「空砲一揆アノニマス」だけど、他2作のミニアルバムも最高なので是非とも盤を手にして聴いてもらいたく思います。

 

もっともっと面白い音楽を作っていくよ。そしてまた少年がミルクのLIVEで会おう