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2020.8.27

「paradox soar」イマムラ×GESSHI類対談(2)

皆さんこんばんわ、イマムラです。今日はもう本当にダメダメでただ単に体調が悪過ぎる日でした。

 

昨日に引き続き「paradox soar」イマムラ×GESSHI類対談(2)をお届けしたいと思います。

 

ゆくえしれずつれづれ 3rdアルバム
「paradox soar」

©︎ ゆくえしれずつれづれ

 

と言うことで、昨日に引き続きGESSHI類との対談を記事化できればいいなと思いまして。

 

ーー「howling hollow」について昨日は聞いてて、そこからになるんだけど、全体的な盤の印象って今回はどうでした?

GESSHI類 はい、昨日少し話をさせてもらったんですけど、やはり説得力のある盤になったなと思います。それは何よりメンバーたちの歌の説得力が一番なんです。盤のディレクションに関しては私は知るよしもないところから制作に入っていくわけなので、完成図はわからないんです。1曲単位を大切にして、その中で出来る表現を出来る限り突き詰めると言うか。そう言う意味では「unison ash」は一番最初に書けた楽曲だったんですね。自分の中で、作詞を悩んでいた時期に取り掛かり始めたもので。

 

ーーそうだったね。「unison ash」は「Wish/」を除いた新曲の中で一番最初に上がってきた歌だったね。

GESSHI類 ですね。だから詩の中になんとなく意地悪が感じられると言うか(笑)そんな事言わせなくてもいいのにって読み返したら思うところもなくはないんですけど、でもこれが詩ですみたいな反骨心を感じますね今見たらちょっと恥ずかしいと言うか。いや、作品としてはもちろん気に入っていて、ただその中に思念みたいなものが結構入ってるなと。作詞をする人間なら誰でもそうかもしれないんですけど。何よりこの曲はハヤシ君作曲のもので、リフが何より印象的ですよね。演奏家が作る楽曲だなって直感でわかるくらいわかりやすくて。そのリフをどうやって活かそうか考えてたら必然的にポエトリーだよなって。

 

ーーこの盤の中では一番その要素が強い曲だよね。

GESSHI類 ポエトリーはもう小町の印象なんですけど、それは今でも変わりないんだけど、他のメンバーも含めてその要素が多い曲ってのもあんまりなかったですから。しかもそれを成立させられるだけのメロディーがハヤシ君は出せるんですよね。Bメロもそうだし、サビメロもそうだけど。しゃちょがこの楽曲を一番最初に送ってきた顔が浮かぶと言うか…「ねーこれ最高に面白いんだけど!」って言葉では言ってこないけど、想いが透けてるよみたいな。だからやっぱり反骨心に満ちた歌詞になりましたね。人間って救われないじゃないですか、結局。誰も言わないけど。救われなきゃならないって思ってるけど、そんな事なく死んでいく事だって沢山あると思うんです。

 

ーーうわ、突然ぶっ込んでくるね。

GESSHI類 でも事実ですから。いつだって1人だし。特にゆくえしれずつれづれでは最近の音源でユニゾンすることって少なくなってきてる。あぁ、真意だなって思うんです。わかるよって言葉なんて意味を為さないこと誰しもがわかってるはずなのに人は共感が欲しくて。欲しくて。欲しくて。あ、WECみたいになりましたね(笑)その光景をSNSなんかで見かけたりする時の気持ちもそうだけど、やはりそんなものは灰色に染まればいいと思ってしまうんですよね…

 

ーーいいと思うよ。僕はこの曲が最初に出来て良かったと思ってるし。ただ悩んだね。歌唱法としてUSハードコアのボーカル然として絶唱するようなものにしたいとも思ってしまったし…結局ポエトリーにしたんだけど。

GESSHI類 例えばenvyはそうですよね、少し前の音源とかだとポエトリーを絶唱する。何を言ってるのか聴き取れないくらいの状態でいいと言うか。ああ言うものは、ある種憧れると言うか。歌詞というものが楽曲の中に溶け込んでいく感覚?というのか、混ざり合っていくみたいな。最近のJ-POP自体MIXのDisとかじゃないんですけどボーカル至上主義だったりするし、オケいらないくらいだねって思ったりもする。それは極端な話なんだけど、この楽曲のMIXは流石にsyva君だなと何度も思わされて。セクションによって全然違うんですよね。溶け込ませ方も。ああいう瞬間って通じ合ったというか、まさに!と思うことで嬉しくなりました。

 

ーーいいね、音楽家っぽい話になってきてる(笑)じゃあ既存曲のことも少し聞かせてよ。例えば「ssixth」について。

GESSHI類 んー「ssixth」ですか、私大嫌いなフレーズがあるんです。サビ締めの「僕と君は似てる」ってフレーズ。

 

ーー大嫌いなの?(笑)

GESSHI類 大嫌いです。大真面目に。仮にこれ他人が他人に対して言う言葉だったらとてつもない冒涜なんです。似てるかどうかはどっちでもいいけど、私は私で、君は君で。ただこの「ssixth」と言う楽曲は徹底的に自分と対峙する楽曲なんですよね。だから敢えてサビの終わりに言わせてもらってるんですけど、本質的に自分と対話する曲ってつれづれでは結構あるんですけど、その中でも特急で自分1人。syva君のDEMOが直球ストレートだったのもあって、いよいよかと。いよいよ自分だけと対峙する、人ってそれを本質的に避けてる気がするんです。それをわざわざしようと言うドM曲。でも向き合うのに自分1人で完結出来るかなって考えたら出来ないかもなって。人間に第六感があるとしたらそう言う第六感だったらいいなって妄想が元になってるんです。いわゆるシックスセンス的な?だとしたら納得出来るなって。

 

ーーシックスセンスね。これ未だメンバーにも伝えてないよね。多分この思惑というか思想を知ってるのは2人だけだと思うんだけど(笑)

GESSHI類 今回に限ってってわけじゃないけど、それでいいと思うんです。思惑はズレていいというか。それでも人間は1つに成り得ないと思う節が沢山あるので。ノワールと光というフレーズもそうですけど、相反する思想や観念が交錯するほど人間の本質なような気がするから。あ、楽曲は大好きですからね(笑)

 

ーーうん、わかってる(笑)したらM7「Odd eye」はどう?

GESSHI類 とてつもないものが来てしまったと思いました最初。DEMOを聴いた瞬間syva君の頭の中を覗きたいなって思うくらいおかしなものだったんです。ハードコア直系なのかと思いきや途中でトラップが入ってくるんですよ。「は?」って声が出ましたよね。この楽曲を評価出来ない音楽家が仮にいるとしたらもう辞めた方がいいと思うくらい才能が詰まりまくった楽曲です。しかもそのトラップの後のセクションの裏で少しピアノのフレーズが入ってて、しかもそれが最高に綺麗で。あの人ギタリストなのになんてことだってなって。だから歌詞を任せてもらうってことでめちゃくちゃ緊張しました。

 

ーー緊張したんだ(笑)トラップ部分はどんなイメージだったの?

GESSHI類 違和感?って言うのかな、そう言うものが欲しくて。白無垢って言葉がどうしても入れたくて。トラップと白無垢、死ぬほど違和感じゃないですか。それって音楽業界内でのコドモメンタルみたいなものだと思ったんです。特にその中でもつれづれ。何か測れない奇妙さと綺麗さと愚直さ。まさに自己流哲学と言うか、そのまま進むんだみたいな。人にはバカにされても気にもしないよって。そのトラップ部分は今でもとても気に入ってますね。

 

ーーサビのフレーズも印象的に聴こえたよ。

GESSHI類 Bセクションがとても綺麗なのでインパクトは欲しかったですね。言葉の羅列とメロディーに対する押韻が持つパワーみたいなものを感じていた時期でもありましたし、个喆とたからが加入してのシングルだったので、前衛的であろうと言う気持ちはとてもありました。サビの途中で夢芝居って出てくるんですけど、そんなのTVに出てくる人の言葉だと思ってた節があったけど、いや、メイなら合うかもしれないって思ったんです。あそこは歌割りをメイにしてくれて本当に良かったです。まさにそうなんですよ、夢芝居なんです、そんな曲なんです。けれどまだ両目は違う色なんです。それぞれの価値観や想いがバラバラであって然るべきなんです。この楽曲をゆくえしれずつれづれと言うグループでやれたのは本当に意味あることだなって今は思います。

 

ーー鍵を外しておくからって、つれづれっぽいなって笑ったな(笑)それが凄くぽくて嬉しかったのも覚えてる。

GESSHI類 うん、そうですね、そんな感じしますから(笑)

 

ーーじゃああんまり気が進まないんだけど「illCocytus」は?

GESSHI類 なんでですか?(笑)書けない事ばっかり言うから?(笑)

 

ーーうん(笑)

GESSHI類 じゃあ書ける範囲で喋ります(笑)えーこの世気持ち悪いな滅びればいいのにくそったれ死に晒せ消え去れ、え、これ私が外れてるだけです?そうなんです?わからない気持ち悪い人が多過ぎるでしょ、何その正義?は?皆は思わないんだ、思わないんだとしたら私がおかしいんだな、死んだ方がいいかな、でも好きな人がいるから生きていたいな、あー考えるのが面倒くさい結局この世がなくなればいいけど、生まれ変われるならそれでもいいかな、どっちでもいいか。が、小町とリンクです(笑)

 

ーーダメ!!!全然ダメじゃん!!!!!!(笑)

GESSHI類 聞く方が悪いんです(笑)

 

ーー話題を変えよう、スッと。あれあれ「Dear Sorrow」は?そうそう!

GESSHI類 あ、10万字の失恋話を持ち出します? どれだけ仕事してるか知ってますよね?

 

ーーダメ!!!想いが重いし、それ僕のせいみたいな危なみしかないじゃん(笑)

GESSHI類 だから聞く方が悪いんです。

 

ーー…(ヤベー)あ、あれよ!ソロはソロいいじゃん!ソロ聞かせてよ(焦…

GESSHI類 ソロ…ソロですね、わかりました。メイと小町は以前の再録だから、今回は个喆とたからですね。

 

ーーうん、そう。こてちゃんのから聞かせて。

GESSHI類 「Mezzo Forte」は、しゃちょがタイトルを決めてくれましたね、有難いことに。个喆にどれだけの人が救われてるのかわからないですけど、少なくてもコドモメンタルは个喆いなかったらなくなってると思うんですよ。例えばしゃちょとか个喆に勇気付けられてるだろうし、あのポジティブさは天性のもので。最初面白がってしゃちょが个喆を受からせた話もめちゃくちゃトリッキーって言うか普通だったらあり得ない所からだったりするんだけど、でもまっすぐ、まっすぐ个喆は生きてくれてて。何より高木さんが冗談で死にたいって言った時に个喆がブチギレたって話が私は言葉に出来ないくらい大好きで。

 

ーーあったね、そんなこと(笑)凄い人なんよこてちゃん。僕は地球を救うと思ってる。

GESSHI類 うん、そういうふうに人に思われてるって凄いじゃないですか。で、この面倒な人の巣窟みたいなコドモメンタルという場所にいて、特異点があるとしたらそれは个喆なんです。いないからあんな人! 本当に素敵なんです。しかも系譜が凄く面白くて。个喆はつれづれが好きでオーディションに来たんだけど、推しってかそういうのはぜんぶ君のせいだ。の如月愛海なんですよね。で、凄い話があって。こないだ某所で个喆とこもち(星歴13夜)、愛海氏もいたんだけど、その場所は合宿だったんです新人さんの。まだこの世にお披露目してない人たちですよ。

 

ーーあぁ、その話しちゃうの?(笑)

GESSHI類 あ、ダメでした?

 

ーーや、いいよ(笑)

GESSHI類 じゃあ続けますけど、その時に夜にMTGしてて新人さんに対してこもちが「コドモメンタルは好きですか?」って言ったんです(笑)しゃちょは顔を下げてて愛海はびっくりしてて(笑)新人さんは色んな想いで合宿に来てるから皆一応「あ、はい」みたいな感じなんですよ、当たり前ですよね、皆びっくりしてて。しかも今の時代、好き嫌いだけじゃなく色んな打算だってあるんですよ、わかってやってーこもちって思ったんですけど、超真っ直ぐで。そしたらその直後に个喆が「本当に〜?」って聞いたんです。普段絶対にそんなこと言わないんです个喆は。でも仲間になるかもしれない人たちの本音を聞きたいっていう真っ直ぐさが心にあるんです。ヤバイんですよ、如月組は(笑)真っ直ぐさがもうトキトキ、尖り過ぎてるくらい真っ直ぐ(笑)

 

ーーあったね(笑)僕は絶句してしまったけど(笑)

GESSHI類 大人やったらちょっと言えないことなんですよね。会社好きになってくれって言いづらいし。気持ちはわかるけど。でも違うんですよ、あの子たちの中では「真っ直ぐ」なんです。そのピュアさと言ったら眩しくて目が眩むほどだったんです(笑)だから歌い出し「人の想いは死なない」にしたくて。ロマンじゃないですか。しかも个喆は「自分は自分、人は人」って理解してる上でのそれなんですよ。だから余計説得力がある。それに加えて彼女は極端言えば「自分が好きだったらなんだっていい」という包容力が凄くでっかい人なんです。本人は他人にあまり興味がないって言ってるけど、だからこそ好きな人は何があっても大好きだっていう”真実”がそこにあるんです。

 

ーー歌詞にもストレートに記されてるよね。本当に。だから一番泣けてしまうんだよこの曲。

GESSHI類 そう言ってもらえて光栄です。歌詞というより个喆を書いた感覚に近いですね。

 

ーーじゃあたからの「Arrhythmia」については?

GESSHI類 あんなヒーロー風味の子います? しかも悪ガキで。白と黒が交錯するような具現化されたような子。たからのそういう部分って凄く魅力的で。そもそもあの子ってもっと上手くっていうか上手に生きれるはずな子なんですよ。別にしんどい想いして女性グループで活動しなくてもチヤホヤされる子ですよね。でも、たからはここで生きるって決めて来てるんです。

 

ーー歌詞の雰囲気がどの曲とも違う感じで、それはたからのそういうものを表現しようとしてくれたのね?

GESSHI類 出来てるかはわかりませんが…リーダーはメイで、MUSEは小町だとして、たからは背負える子なんですよ。それは強さだけじゃなくしなやかさや柔らかさや優しさ、そしてちょっとダメな悪ガキ風味。そういう部分あなたに似てますよね?(笑)

 

ーーあぁ、なんだろう、娘いたらたからみたいな気はしてる(笑)

GESSHI類 わかります(笑)手がかかって仕方ないけど、皆が愛してるって断言出来る。最強の末っ子でしょ。でも本人は真っ直ぐにがむしゃらに進むからその爽快さや眩しさにファンの皆がついていく。ちょっとくらい口が悪くたっていい、ちょっとくらいはみ出しててもいい、ビビらず、彼女が背中を見せてくれるから。そんな想いで書いた楽曲ですね。

 

ーー不整脈って意味だと思うんだけど、その真意は?

GESSHI類 不安定さ?(笑)でも悪い意味じゃないんです。決して。滾る心臓があったとして、一定のリズムなんかじゃないものでいいと思うんです。気持ちも何もかもが、人間らしいっていうか。そのたからの人間らしいところが大好きだって思えるじゃないですか? その感覚なんですよ。

 

ーーわかります(笑)彼女はとってもとっても人間らしいね。そこが本当に素敵に見えるよね。ともすれば悪印象にもなりかねないところもたからなら許せてしまうというか。

GESSHI類 でもそれって、彼女がステージでそれを証明してくれるからじゃないですか。だから説得力がある。でもシャイな部分もあって。そこが可愛らしさもあって。だからたからが日本語で言えることは日本語で、シャイで日本語で言えなさそうなことは英語で表現してますね。これも本人の成長なくして歌えないくらい難しい楽曲だったので、歌詞がどうのこうのってより、成長しててくれてありがとうと思いましたね。

 

ーー歌詞のどうのを聞きたくて呼んだけどな?(笑)ま、いいか。初めての試みにして、もうやらないかもしれないくらいだけど、楽しかったです。ありがとう。最後になんか一言。

GESSHI類 雑(笑)そうですね、つれづれメンバーは本当に成長しています。是非会場で観て欲しい。盤を手にとってくれたら暇な時に歌詞も見てみて欲しいですね。暇があれば。それからまし氏も愛海氏もそうだし、どんどんアーティストとしても作家としても成長していく皆がいるので、そちらもお楽しみに。私はたまにでいいかな、作詞(笑)とは言え、KAQRIYOTERRORの新譜でもほぼやらせてもらってるし、そちらもお楽しみにです。宣伝みたいになりました。


 

とのことでした。対談形式。

 

まぁやってみて思うけど、毎回ライターさんはこのテープ起こししてるのかぁと思ったら頭が下がりますね。大変。途中で心が折れそうになったりもしましたが、なんとかこうして形に。

 

ゆくえしれずつれづれ 3rdアルバム「paradox soar」素敵な作品になりました。応援してくれてる群青の皆は当たり前のこと、コドモメンタルを応援してくれてる皆も本当にありがとうございます。そしてこの大変な状況の中、お店で展開してくれてるスタッフの皆さん本当にありがとうございます。支えられています。

 

是非聴いてみて欲しいです。