LIVEの在り方
皆さんこんばんは、イマムラです。朝です。
タイトルは「LIVEの在り方」と。
皆元気にしていますか?元気じゃない人もいるかな、わからないけど、生きていてください。
©︎ 少年がミルク
季節の変わり目ということもあり、頭痛や腰痛持ちの僕は大量の薬と共にこの季節を生きていますが、コドモメンタルでも色々なことがありました。
これは世界中の話だけどこのコロナ禍。2月後半に今のこのような形になり気づけば10月後半、あれよあれよの間にも国の方も四苦八苦、変な施策が始まったりしながら現在”ほんの少しだけ何かが緩和された状況”になっています。感染者数は増えたり減ったりしていますね。ワクチンは未だありません。正直に言わせてもらえれば、この”少しだけ何かが緩和された状況”が中途半端に続けば、弊社も例に漏れず潰れていくと思います。場所によって違いますし、箱などの経営者単位でも違う、それが現状になりますが、キャパ数は当然少なく、箱代もそれに多少合わせて、以前LIVEハウスへ足を運んでいた方々は色んなことを考えて現場へ行かない選択肢を取ったり…という形ですがそれも千差万別、2020年2月前の”昔”には絶対に戻りません。それはあなた自身、LIVEへ行くという行為をしている or いた人たちも感じるのではないでしょうか?関係各所と話をしているとLIVE業界の元々(2020年初め辺り)を100とすると、現状20の状態。つまり1,000人入れれるアーティストのLIVEに200人だと言うことですね。
何か一つでも希望が…何度も思い続けた希望という文字は地獄も孕む内容になってしまいました。何度も何度も心が折れながら、それでも今も音楽を続けられている理由は、今はわからなくなっています。少し前ならその理由が明確に出ていたんですが…そんな中でアウトプットする力もなく、なんとか息をしていたのですが、しばらく前から書かなければなぁとずっと思いながら出来ませんでしたね、なかなか。
それからこれは僕が人と違う感覚なのかなんなのか、文字だけだと真意もしっかりと伝わらない or そもそも価値観が違うのか、そう言う意見も幾つか目にしました。価値観などの違いは埋めようがない部分でもあるので、仕方ないかなと思うんだけど、真意が違う部分にあってそれがしっかりと伝わらないと言うのは結構しんどいことです。書けない理由はそんなところにもありました。
色々、の部分をぜんぶ説明するのは野暮なことだし、コドモメンタルと言う場所は基本的には”演者第一”なので、その辺りは察してくれるといいなと思います。どうしてもの人はどこか街であったりそう言う機会があれば聞いてくれれば。
今日はLIVEの在り方についてだけど…
LIVEをすると今、ほぼ確実に赤字になっていきます。どうしてこんな事態になっているかは明確で、新型コロナウイルスのせい以外何者でもないんだけど、これは言っても仕方ない。けれど、この状況もまた、確実なものです。いわゆる配信LIVE、これについても基本的にはよっぽどの大アーティストでもない限りそうなってしまいます。Jから始まる会社や、Lから始まる会社、Aから始まる会社や、その他ビックネーム以外はきっとかなりしんどい想いをしています。そもそも論で、DVDやBDを制作するほどの撮影隊、それから会場の大きさにもよるけど配信をする機材から設備環境まで、通常ではやはり考えられないほどの規模感のものを”当たり前”に行わなければならない、と言うのは誰にとってもリスキーです。
その上でも何故存在しているのか、と言う部分だけど、やはり有観客でやるよりはリスクが少なく金銭的リスクも少ない、と言う部分です。
前述した”少しだけ何かが緩和された状況”、これが全ての苦しみの元凶になるわけですが…有観客を今行うにはリスクが高すぎるわけです。何故なら、キャパ数が減っているけれどスタッフは大幅にかかるのが現状。当然様々なセクションがなければちゃんとした感染対策は出来ません。LIVEに関わるスタッフの人数は大幅に増えて、箱代は少しディスカウントがある所もあるけれど変わらない所もある、配信などを同時併用する、などなどリスクだらけです。少し規制が緩和されているように見える今も、普通に毎日感染する方は全国でいます。箱によってはそのリスクを出来る限り少なくするために(国から施策が0なので)、自分たちで考える対策と、国のガイドラインをしっかりと踏まえLIVEを行っています。東京のLIVEハウスは正直全国規模で見ると異常で、稼働率なども少しずつ戻ってきていますが、やはりツアーの関係で各地のLIVEハウスへ話を聞くところ10%〜20%(地域差あり)だそうです。その最中に感染対策も不十分にしている箱(主催者に責任を丸投げにしている箱も沢山ある)や主催者や演者がいるのも正直気が狂ってると思えるし、とにかく怖いなと思う。
けれど、LIVEエンタメを仕事としている人間からしたら、国が行っていいと言っている状況でやらないと言う選択肢はやはりない。だから、感染対策を十分にし、自分たちだけではなくイベンターやLIVEハウスと徹底的に手を取りながら、LIVEを行う、と言う部分が大事だなと思います。そう言う意味でも、コドモメンタルのアーティストはいち早く全国ツアーを再開しました。再開したから、全てガイドラインに則って行うから、苦しくなってくるわけです。何故なら、ガイドラインは感染対策であって”LIVEエンタメがしっかりと生き残れる”施策ではないからです。
こうなると、以前にも増してLIVEの在り方が変わってくるような気がしています。いや、正確に言えば、変わってくるんです。
当然ながら、感染対策を十分にしようと思えば思う程、イベントと言う構造は難しくなってきます。例に漏れず弊社もリリースに関するインストアイベントはほとんど難しい状況が続いています。CDを売ると言う名目の上に成り立つインストアイベントも、実はプロモーションの側面だって持っているわけで、気軽にミニライブを見られる大切な場所でもありました。でも今は気軽には見られない。当然そこに来られる人数も限られてくるし、誰しもが気軽に「あ、気になってたから見に行ってみよう」と言えない状況になってしまっている。行うことの意味が大いに難しさに変わってきている。
箱でのLIVEも同じように、キャパ数は段階的に絞られている。そのキャパの制限に関しても今、緩和されつつあるけれど、元通りとは程遠いものになっている。当然、以前のように遊ぶことができなくなっているのが現状です。
そんな中でツアーを回ると言う行為が、如何に苦しいのか、書いてて実感してきました…
けれど何故行くのか…どう考えたって、得策ではない中、何故行くのか…この理由は一つしかないんです。君の街で、LIVEがしたいから。この1点のみなんです。
ここまで書けば理解してもらえると思う。多分対バンのツアーはしばらく難しいと思う。或いは感染対策が徹底的にしやすい、管理しやすい自社でのイベントなら可能かもしれない。でも基本はやはり1アーティストで回れるツアーと言うのは感染対策もしやすい。普段から連携が取れる全国のイベンターさんたちが居てくれて、育ててもらった各地のLIVEハウスさんがあって、ツアーと言うものがようやく回れる。どれだけ苦しくても、君の街へ行って、LIVEが出来る。
なんの問題もないよ、大丈夫だよ、そう以前なら言えたけれど今は言えない。言えないけど、頑張っていこうと思ってる。
少しでも応援してくれている君の街へ。
1会場ずつ、噛み締めて。LIVEが出来ることが当たり前じゃない状況を知った僕らは、文字通り命がけでLIVEに挑むんだと思う。もしかしたらもう出来ないかもしれないなんて、以前なら思わなかったかもしれない、本能的に。今は違う、今日が最後かもしれない、そう言う気持ちで真摯にLIVEに向き合わなければならない。もちろんきっと以前からそうなんだけど、それに輪をかけて。
一度のLIVE、次がなくて、そのたった一回に全てをかけて。
今僕らが行っている、或いは行おうとしている行為は、そう言うものです。
コドモメンタルも色々あるけれど、音楽業界を見回せば、ほぼ皆が同じように色んなことで苦しんだり悩んだりしています。ファンの皆、ファンじゃなくても音楽が好きな皆に、その意味がどれだけ伝わるか僕にはわからないけど、図太い僕も、何度も心が折れかけてるくらい、LIVE業界が崩れてきている。だからこそ、LIVEの在り方が変わってくるんです。
でもそれも時代。そうも思います。
以前の僕なら、ゲームしているところを配信で見せる、と言う行為を絶対に良しとは言わなかった。言えなかった。それは僕らの本分じゃないから。音楽を作って、それを持って挨拶にLIVEへ行く、僕らの本分がそれだと信じて疑わなかった。けれど時代も変わる。それは全然許容出来る。少しでも誰かが楽しかったと言う言葉が聞けるのがエンタメの良さでもある。でもやっぱりだからこそ、一番大切にしているものの価値を、自分自身を含め、再度認識しなければならないと、そう強くも思うんです。
ぜんぶ君のせいだ。は再始動して11/3(火祝)Zepp DCTからツアーを始める。47都道府県。苦しみも楽しみもきっとぜんぶ其処にある。ゆくえしれずつれづれはツアーが終わった。全て計算通りなんて1ミリも言えないけど、終わった。KAQRIYOTERRORは実験的ツアーを始めた。星歴13夜はツアーの振替公演をやってる。バンドは今出来ることを精一杯頑張ってる。どのアーティストも全ての根元は、皆の前でちゃんとLIVEしたい、です。
君がLIVEで重要視していることはなんですか?
君がLIVEに求めるものはなんですか?
きっと一人一人違う。けれど、皆同じ空間の中で、それぞれの想いを抱えて、自分なりの解釈で楽しむもの、それがLIVE。僕らにとっては生きることと同義。
生きたいよ。生きていたいよ。
LIVEを、皆で守っていけるといいな。
ファンの皆一人一人違うと思うけど、演者もきっとそうだけど、裏方サポートする側もきっと、皆にとってのLIVE、その一つ一つ、大切にしてもらえると幸いです。何時間、何日、何十日、何年、その全ての時間を費やすのは、ただその一瞬の為、笑顔のためなので。