近況(2)お祭り篇
皆さんこんにちわ、イマムラです。
タイトルは「近況(2)お祭り篇」として。先日渋谷SPACE OODにて開催されたお祭りのことを少し。
2020/08/09(日)daikanyama SPACE ODDにて。
元々は、2020年の5月GWの時にやりたくて。ご存知の通り箱の抑えは約1年前からやってまして(大きな所は2年前くらいから)物凄く楽しみにしていたんだけど…当たり前にこのご時世なので出来なくなってしまったんだけど、その時に代替案をもらってまして。あ、ちょっと話が逸れるけど…
お祭りって年に2回くらいはやりたくなるんです。
僕は季節的には冬が断然好きなので、冬はマストでやりたくて(地元名古屋でも絶対にやりたいって思ってるから、名古屋と東京の年越しで2回になっちゃう…笑)あとは夏だったりGWだったりとどこでもいいんだけど、1回ほど。でも夏はいつだったかの夏に渋谷club asiaでやった時に地獄みたいになったから夏は結構僕的に避けたいなぁとかヘラヘラ思ってて。エアコンが壊れたのよね、箱全体で。あれはしんどかったし、バタバタ人倒れていくし(演者)なかなかに苦しかったけど、今になったらいい思い出だね。で、いつも言ってるんだけどレーベルに所属していると言っても皆が皆いつも会う訳ではないんだよね。だから、LIVEも必然的にそうで。
皆の成長をまとめて見られるのはこのお祭りだったりするので、年に数回は絶対にやりたいなって思ってることだったりします。それから普段は絶対にしないような事(企画など)もお祭りならって気分で受け入れてやれるのもとてもいい雰囲気で。基本的にコドモメンタルの女性グループなどはLIVEにMCとかないし、休憩する時間とかもないし、ノンストップで駆け抜けていくタイプのLIVEなのでどちらかというととてもストイックなLIVEをしていて。バンドの子達はそれぞれに世界観が強過ぎてまた別の意味で駆け抜けていくし笑
それでも演者がLIVEを生き甲斐にしていることは、LIVEを見てもらえればわかると思うんだけど、そうじゃなくてなんかヘラっと笑いながらステージに立ってる姿ってのは(気が抜けているとかではなく)たまには見ていたいなって思うんです。そういう意味で企画も含めていつも楽しみにしてて。
話が戻って、振替の日程をもらっていたのでようやく出来た、という形ですね。これも実は振替の日程をもらう時に「もしかしたら出来ないかもしれないな」というのは、もうこのご時世になってからは当たり前に考えてしまうようになって…ウイルスの蔓延に関しては誰が悪い訳でもないんだけど、やっぱり当日を迎えられるまでは祈るような気持ちでいます。それから関係者の皆さん。コドモメンタルはある種わがままに全国各地で色々やらせてもらっていて、でもそれは関係者の皆さんが居なければ絶対に成り立たないことで。毎度感謝はしているものの、今回のような事態の中、関係者の皆さんが居てくれて勇気を逆にもらうことが出来ていつも本当に感謝しています。ありがとう。
そしてもう一つ、このご時世になってからLIVEの延期や中止など調整につぐ調整でもうどのツアーのどの公演がどうなっているのか、把握するにもとても大変なんだけど、今回もお祭りとKAQRIYOTERRORのツアーファイナル(ファイナルと言えど、中止や延期になってしまってる公演も多数ある)が被ってしまって。いつもは、多数のアーティストが存在しているので、出来る限り基本的にファイナルだったりは被らないよう調整しているんだけどどうしてもそれが難しく。それをKAQRIYOメンバーに伝えたら「二回もLIVE出来るので幸せ」って言ってて、あ、めちゃくちゃ成長してるなぁと感じたのでした。ということで、箱への移動もあるので、トップバッターは”KAQRIYOTERROR”。
©︎ KAQRIYOTERROR
KAQRIOYTERRORについては、1タイトル書きたいくらい、書きたいことが出てきています。この日のLIVEもとてもよかった。けど、そこじゃない部分を書きたいと思う。KAQRIYOTERRORは前身の幽世テロルArchitectというグループがあって、当時のメンバーがいなくなり、今のKAQRIYOTERRORになっています。
言うなれば、様々なことを乗り越えてこの場所にいると言うことになります。改名してからの今の今まで、とても大変な想いをしてグループを作り上げてきた、演者本人たちが。そしてようやく今、僕自身、納得行く形でいろんなことが進めて行けそうだと確信しています。そこまで持ってきた演者の努力は1つの場所へ行こうとするベクトルを合わせ大きな力になります。今から「間違いなく面白い」人たちになります。観ていて欲しい。と、多分出てないので少し触れておくと、心鞠游がリーダーに、季がサブリーダーになっています。それはあの子たちが言おうが言うまいがどっちでもいいけど、今までリーダーがいなかった彼女たちが初めて今の形になりました。応援してあげてほしい。
久しぶりの皆の前で、お祭りを始めるとしたら、奇祭を掲げる彼女たちに。任せてよかったなと思うステージでした。
2番手は”BATROICA METAL SUMMER JACKET”
©︎ BATROICA METAL SUMMER JACKET
Vo / Gt かわもトはex.The Taupeで、知ってる人もいると思う。僕はかわもトが好きで、彼が何かをするのなら必ずサポートするよと前バンドを解散する際に伝えてた。実はこのBMSJは4月には初企画でLIVEをする予定だったけど、それも新型コロナの影響で(そもそもその時期には緊急事態宣言が出てた)出来なくなってしまって、これが初LIVEだった。
正直個人的な感想を言うなれば、この初LIVEを観られた人はとても幸せな人たちだなと思った。初LIVE感がなかったかと言われればお世辞にもそうは言えないけど、海外のロックバンドの1stアルバムがとてつもない熱量と共にパッケージされているような、そんな錯覚さえ覚えたステージだった。何かと比べるものじゃなく、BMSJと言う一つの集合体として、観てても聴いてても、面白いと言わざるを得ないものが、確かにそこにあった。
まだ初LIVEをしたばかりのバンドのLIVEをあれこれ言うのはネタバレじみた気持ちになるのでこれ以上はやめておくけど、来年のカナダツアーや国内で出来る面白いことなど、お楽しみにしててもらえると嬉しい。
3番手は”ゆくえしれずつれづれ”
©︎ ゆくえしれずつれづれ
つれづれは2019年〜2020年の今まで、一番伸びたグループだった。今の体制になった時は「バランスが良過ぎる」なと感じていて、そこ自体は大切なことで重要なんだけど、今一つ何かの要素がないと…と感じていた部分を見事にメンバーが埋めていった。
何よりもメンバーが笑い合える瞬間が増えたことは、ステージではないところだけど、大事なところだと思う。ことステージに関しては、実は安定していたのは小町だけだった。メイもステージに関して伸び悩んでいた時もあったし、个喆とたからはまだまだ世界観を踏襲した上での表現にぎこちなさが圧倒的にあった。特に表現しなければならないのは「クリーン」で。ボーカルのクリーンがどこの何よりも大事なのが実はゆくえしれずつれづれで。スクリームにインパクトがあるから、よく人はスクリームのことを言いがちだけど、クリーンに説得力がなければ、スクリームは意味を為さない。当時を事実だけで振り返ると、前体制時はその部分が圧倒的に足りていなかった。
メイ・个喆・たから共に、クリーンの伸びが2020年に入って急速に上がった。と、同時にスクリームの攻撃力も上がった。元々小町の持っている”ギリギリの儚さ”を、極限まで削り上げるようなステージが出来るようになったのは、3人の伸びを確かに感じることが出来るから。ヒリヒリしたステージをこの日も見せてくれた。
4番手”été”
©︎ été
久しぶりのLIVEだったété。観られて本当にうれしかった。オキタ・ヤマダ・響の3人の奏でる音楽を僕はいつだって大好きだから、LIVEを観る時は単純にファンに戻ってしまう。
彼らは彼らの持つ圧倒的な哲学に、まるで自分たちを合わせるように演奏し、絶唱する。彼らを観る度に毎回「こんな奴らいないなぁ」って客観的に思うんだ。良くも悪くも徹底的にはみ出していく彼らを僕は徹底的にサポートしていたくて、彼らが見据えるものがなんだったとしても、そんなこと関係ないくらいにやられていて。とは言え、久しぶりのステージで思うように行かない部分などは指摘したけれど、それさえ愛しさを持てるようなステージだった。
彼ら3人は認めないかもしれないけど、きっとオキタを独りにしないようにと寄り添うようなLIVEだったんだ。僕はそれがとても嬉しくて、アドバイスを言いながら心は笑っていた。この第3新東京で、彼らが反骨心と共に挑戦を繰り返していくのならば、いつだってその後ろに居てあげられるようにしようと決意を新たにさせてもらえるものを見せてくれた。
5番手は”ヤマコマロ”
©︎ ヤマコマロ
ヤマコマロ今回はアコースティックセットにて。岡村ありがとう。選曲も自分で行って歌いたい歌をしっかりと歌う。マロは毎回楽屋で緊張して死にそうになっている。けど伸び伸びと歌えていた。
最後の「おばけのうた」はとても思い入れのある楽曲だったりするので、聴いてるのが少し大変だった。おばけのうたがあったのでcodomomentalが出来て、codomomentalがあったのでコドモメンタルINC.が出来て。如月愛海に出会えて、成海5才に出会えて、当たり前に少年がミルクが居て。ぜんぶ君のせいだ。が出来た。この楽曲を聴くと様々なそんなシーンが蘇ってきたりして。さて、ヤマコマロは大変お待たせしてしまったけど、いよいよ”次の名前”も決まっていそいそと始まっていく…んだけど、新型コロナウイルスの件もあり、思うようには行かないかもしれないけど、それでも始まっていく。彼女の物語も楽しみにしててくれると嬉しい。
6番手”星歴13夜”
©︎ 星歴13夜
毎回、実は星歴13夜が一番気合い入ってるんじゃないかって思うくらいお祭りに気合いを入れてるのが裏側で伝わる星歴13夜。この日出番前に「一番の可愛いは星歴13夜だー!」って先輩たちの前で宣言してステージに上って行った。可愛いと言うワードをチョイスしたのは、きっと彼女たちが所属する全てのアーティストを尊敬しているからだと思う。この部分、前回は違った。
星歴13夜は僕が直接見ていて、まだまだ末っ子感が拭きれない部分は否めない。合わせて彼女たち用に考えていた様々なプランは、この新型コロナウイルスによって尽く崩されてしまった。それはどのアーティストにしてもそうなんだけど”大切な時期”と言う意味でとても悔しさを感じている。だけれども、そんな状況においても、彼女たちがひたむきに前を向いている事実は正真正銘ステージに現れている。
それは応援してくれてる人たちが一番感じているんじゃないかな。と信じている。この期間に、各々アーティストとしての表現をどう伝えたらいいのか、一番考えたのが星歴13夜だと思う。1人1人の個性が強いからこそ出来るステージというものを、尊敬して、これからもきっと輝いていく、そんな風に僕からは見えてる。
7番手?というか” DJ SET”
水谷和樹→ましろ(from ぜんぶ君のせいだ。/ マオエニア)→僕という順番でやらせてもらった。この時間帯はKAQRIYOTERRORのLIVE時間と被っていて、是非とも会場を移動してもらいたい時間帯だった笑
この時3人共、むちゃくちゃ時間に追われていて(それぞれの仕事で)…3人とも当日まで流す曲はおろか、SET LISTなど決まっていなかった。朝箱入りしてから全員が別々に考え始めた。和樹はエレクトロを中心としたセットを、ましはロックを中心としたセットを、僕はブラックミュージックを中心としたセットを。「何流す?」って聞いたらそう言っていたので決めてたのは被らないようにすることだけだった。この3人は普段から音楽に対してあーでもないこーでもない言い合うわけではないんだけど、お互いに尊敬してる部分が大きくて。変に気を使い合うような間柄でもないので、適当くらいがちょうどいいのかもしれない笑
何はともあれ、僕の時はお客さんが一番辛い時間だったのは間違いない笑
8番手”マオエニア”
©︎ マオエニア
楽しみにしててくれた人も多いんじゃないかな。マオエニアとしてLIVEをするのは2019〜2020になるその日ぶり。
何より、ステージにいるメンバー全員が自分の仕事を持っているバンドになるんだけど、そんなの全く関係ない、全員が全員プロフェッショナルに徹しているバンドで。その理想の高さを感じさせてくれるステージだった。皆がまだ知らない物語が、様々な色と熱を帯びて進行していく。楽しみで少し震えるんだよ。マオエニアに関しては、それこそあーだこーだ言うとネタバレみたいになってしまうのでこれくらいにしておこうと思う。どの場所でも、マオエニアでも、今後を期待してて欲しい。
9番手”popoq”
©︎ popoq
先日素晴らしい盤をリリースしたpopoqが9番手。幻想的とファンタジーな世界観とVo.渉の声が響き渡る素晴らしいステージだった。僕的には一番素敵なステージだった。
元々うちの関上の同郷と言うことで、今も関上がマネジメントを担当しているんだけど、近頃は僕も入ってやらせてもらってる。彼らの”ピュアさ”は僕らが普段の生活の中でどこかに無くしてしまったものがいっぱい詰まってる、宝物みたいに。バンドって色んな形があって、どのパートも癖のある人間が担当していくわけで。その個性が混ざり合うのがバンドの良さでもある。けれどこの日のpopoqのLIVEは、各パートとかそう言うのは一旦横において、popoqと言う一つの集合体が奏でる音楽、と言う風に感じられた。それは彼らの持つ世界観をより一層際立てるものだ。
僕はこの日の彼らのステージをきっと長いこと忘れないと思う。好きなものが沢山詰まっている、そんな瞬間を沢山くれた。きっと彼らはシーンなど関係なく、独自の色を持って進んで行けるバンドになってくれる。
10番手、トリは”ぜんぶ君のせいだ。”
©︎ ぜんぶ君のせいだ。
バカ笑って、バカ泣いてた。メンバーが。
よつ・あけぼのの脱退を発表して、発表する前から祭りだけはなんなら2人の為にも絶対にやってあげたいと決めてた。なんならごめん、ファンの皆よりも、この2人の為にもやってあげたかった。それくらいぜんぶ君のせいだ。メンバーは全員このお祭りが大好きで。コミュ障でずっとひとりぼっちだった彼女たちが初めて1から作り上げてきたもの、それがこのお祭りでもある。そんな愛がパンパンに詰まってる。
よつは大好きなつれづれを観る時コドモみたいな顔をしているし、あけぼのはあれで違うグループの皆と話したりコミュニケーションを取ったりするのが大好きで、おやつも違うアーティスト皆を観て嬉しそうに笑い、ましろは出番いっぱいだけど何より皆を尊敬してて誰よりも楽しそうで、愛海はそんな全員を観ながら全てが滞りないように裏方までこなしながら全演者が彼女を尊敬してて。会場に僕なんて居なくても、彼女たちが居たらきっと問題なく回っていく。
何よりも誰よりも「自分たちが一番楽しむ」と決めて。この日は残念ながらコドモメンタルバンドのバンマスであるハヤシタカヒロとコドモメンタルのマスコットでもあるRISAは不参加になってしまったけれど(新型コロナウイルスの件にて)画面で皆と一緒に観ててくれた。
まぁ楽しかったよね。それしか出てこないよねって思ってしまう。ほど、素敵なステージだった。それ以外出てこないな。楽しかった。やれてよかった。それだけだなと。あ、あとセットリストの中に、必ず「Sophomore Sick Sacrifice」を入れさせてもらうのは、僕のただのわがままです。
全10組。長い1日でした。お付き合い下さった皆さんありがとう。うれしかった。楽しかった。
こう言う日を久しぶりに経験してしまうと「早く」戻ってこないかなと思ってしまう。そんな日がこの先来るのか、来て欲しい以外ないんだけど、それでも不安に思ってしまう。早く戻ってきてって思ってしまう。経営者として違う部分にも目を向けなければならないことは重々承知してるのに、どうしても思ってしまう。
演者の子たちが本当の意味で笑えて、ファンの皆が心の底から笑ってて、僕はヘラヘラしてて喫煙所でタバコ吸ってヘラヘラ喋って、おいしいご飯があって、皆がそこでヘラヘラもしてて、おいしいご飯食べれて、好きなアーティスト観て、皆が楽しかったって口を揃えて言える日が、早くきて欲しいと思ってしまう。
ステージと客席の間の”不思議な空間”が今は必要であること、頭の中では理解してる。でも何度も思ってしまうんだ「あの空間なんだろう」って、何度も何度も。とてつもなく遠く感じてしまうんだ、僕らからしたら。心が折れかけてしまうほど、寂しく感じてしまうんだ。
けれど、今はそれが精一杯。精一杯の日だった。
次に開催出来る時、先日とは違った景色が観られるといい。そう願うしかないけど、その日まで、自分たちは自分たちが決めたものを徹底的に守っていくしかない。それしか出来ない。笑い合える冬になるといいな。
こどもめんたる〜はっぴょうの拾伍〜夏祭りSP
皆のおかげ、関係者の皆さんのおかげ、演者の皆のおかげ、どれか一つでも欠けていたら決して出来ませんでした。僕はやろうと思えませんでした。
本当にありがとう。