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2020.3.12

哀唄日夜について

皆さんこんばんわイマムラです。深夜です。

 

今日のタイトルは「哀唄日夜」について。

 

星歴13夜4thシングル「哀唄日夜」

日付変わって昨日の21時に公開されたMusicVideoは観てもらえたかな?

 

ごめんね、まずこの「哀唄日夜」の話をする前に一つ。僕はこのMVを公開することが出来て本当に言葉で言い表すことが出来ないくらい嬉しかった。何故かってそれは”僕らにとっての日常”だったから。僕らは音楽を作って、作るときに苦しんで、苦しんだ分今度はメンバー達がそれを表現することに考えて苦しんで、空気を通してRECして、エンジニアのsyva君がMIXして、僕がそれを確認して、同時並行でジャケットアートワークを考えて、デザイナーにディレクションして、パッケージして、CDを出す。大好きな楽曲を音源としてだけじゃなくて映像にもして宣伝する為にプロモーションビデオを作る(MV)、そしてそれを今はYouTubeで公開する。

 

何度も何度も何度も何度も、生まれてから何度も繰り返ししてきたこの行為が最近は日常じゃなくてなってしまっていて…誰もが知るように世界中で大変な事態になってて…だからこのMusicVideoを公開出来たのが泣けちゃうくらい本当に嬉しかった。なのだけど…とてつもない事に気づいてしまったけれど、それは皆には関係のない話なのでまた今度笑

 

きっと誰も上に書いてるような風に思わなくて「あー新しい曲かー」とか「新しいMVかー」くらいに思ってる。で、それでいいんだ。それがいい。きっと皆にとってそれが日常で、そうして毎日生きてて。僕らは良いとか悪いとか言われて。そんな当たり前に胸が熱くなるくらい最近はどうかしてる。異常だよ。

 

うわーいきなり話が逸れまくってしまった…でもまず、公開出来てよかったし、観てくれてありがとう。メンバーもこの作品を作らせてくれてありがとう。和樹もこんな素敵な曲を作ってくれてありがとう。GESSHI類歌詞本当にありがとう。syva君も録ってMIXしてくれてありがとう。

 

はい、4枚目なんですよこれ。

 

星歴13夜にとって、よりリアルでより脆弱性がある作品。それが今回の「哀唄日夜」です。メンバーが言ってくれてるようにこの楽曲が和樹から送られて来た時、もうこの楽曲しか聴けないくらいただ夢中になった。イントロから「これ!」ってなって、どういう曲にしたいとか勝手に考える感じ、本当に嬉しかった。アーティスト活動を続けることによって生まれてくる、というか育ってくるのは演者(メンバー)の感情表現と、アーティスト自体のブランディング成長ってのもあって。グループの成長って言うのかな、上手く伝わるといいんだけど本人達だけじゃなく、見えない何かみたいなものがあるんです。

 

それで、この楽曲を作るときに哀しい歌がいいなって単純に思いました。

 

貴方(君)は、誰かを失った喪失感でいっぱいになったことはありますか?

貴方(君)は、喪失感の雨の中子供みたいに泣いたことはありますか?

貴方(君)は、誰かを想って苦しくてくるしくて仕方がなかったことがありますか?

貴方(君)は、誰かを愛したことがありますか?

 

きっと皆それぞれに、そんな体験があると思う。哀しい歌がいいなと思ったのは、哀しい歌は思い出させてくれるから。昔の出来事を忘れないようにって、忘れないでって、そう思わせてくれるから。皆にとって、そして何よりメンバー達にとって、そんな大切な楽曲になるといいなと思った。楽曲の歌詞について打ち合わせしてる時にそんなことをGESSHI類に少し話して出来上がって来たのは、まさにそんな楽曲だった。だからメンバーがレコーディングする前に何度も泣いて、何度も泣いて、何度も思い出してって繰り返して。きっとこの子なら、このフレーズを僕が考える通りに歌ってくれるんじゃないかって今回は歌割りして。いつもそうなわけじゃない、意外性とか面白味とか色んなことを考えて歌割りをするけど、今回は言葉をとても大事に歌割りした。

 

メンバーは皆それぞれに、個性を活かして、この歌の表情を歌いきってくれた。嬉しかったここも。まじで嬉しかった。

 

MVの説明って言うと陳腐で嫌だけど、わかりにくいのも違うので、少しそんなことも触れたいと思う。以前自分の作品(少年がミルク「CURTAIN CALL」など)でもしたしね。

 

まずは衣装。

©︎ 星歴13夜

まずとか言ったんだけど、今回の歌詞が上がって来た時に自分の中でモチーフみたいなものが固まって。敬愛する作家(漫画家)の矢沢あい先生の作品に「下弦の月」と言う作品があるんだけど(詳しくは作品を読んでください!)まさしくそんな雰囲気の世界観だった。歌詞の中にもそのフレーズは登場するね。僕は幾千幾万の漫画を読むけどここまで奇跡的に世界観がマッチすることってなくて、もはや運命を勝手に感じてしまったくらい。その作品の中に出てくる主人公イブ(思念体)と言う女の子、カッコ書きしたように思念体(無茶苦茶雑な言い方すると幽霊的な)なんだけど、その女の子が”仮”に星歴のメンバーだったなら…きっと外国風の寝巻きを着てるんじゃないかって思って。その上にふわふわなカーディガンを羽織ってるんじゃないかって。

 

これ何言ってんの?って思ってる人いるかな、結構ってかかなりまじのまじの大マジに真面目な話ね。

 

ちょうどそんなことを考えながら、色々過去のランウェイなんかの服も見漁ってたらFENTY PUMA BY Rihannaの2017 S/Sコレクションの中に「これだ!」って思う服があって…でもそれはメンバー分手に入れることは全然出来なくて、あぁぁあcああcああぁああーー!ってなって、日本で言うところのベビードールだ!ってなったんだけど、日本のベビードールはまぁ本当に可愛いのがなくてなくて…まずここで絶望したね。なんぞこの国は…ってなったけど、なってても仕方ないので、何かとにかく探してもうリメイクしかない!ってなって。

 

探しまくったけど、もう本当にどれも納得するものがなかったので、スタッフの中村に言ってチクチク(リメイク)してっつって。僕の中では全然えっち味はない。と言うか、日本の女性グループが好きな人たちはあまりにも偶像の処女性と言うかプラトニック性を重んじてるよね。ここめちゃくちゃ普段から疑問なんだよな僕は…あんまりこう言うのも好きじゃないけど(日本と他の国を比べること)ここだけは結構疑問に思う。アメリカも韓国も他のエンターテイメントが盛んな国は女性の自由さと同様に奔放さもふんだんに盛り込まれてる。わ、話が逸れた笑

 

とにかく衣装のコンセプトは”幽玄なる世界観の中にいる星歴メンバーたち”なんです、だから薄着になってて幽霊とかって透けそう感(見たことないけど)あるじゃない?その感じなんです。ここを大前提で理解してもらえるとMusicVideoの世界観もよりわかりやすくなってもらえるかなと。

 

ちなみにこう言うことを僕は演者の子達に伝えたりしない。昨日インスタLIVEで个喆(ゆくえしれずつれづれ)にも同じように言われたけど…理由はめちゃくちゃあって、一から十までぜんぶ創作を伝えてしまったらそれはもうただの操り人形みたいになってしまう。うちの、コドモメンタルのグループメンバーたちは絶対にそんなことなくて、ぜんぶ説明する必要なんてないと信じてる。その上で、どんな表情で、歌で、体全身を使ったダンスで、こんな意図があるものを”表現”してくれる、今もずっとそう信じてる。

 

結果、どうですか?

 

観てくれた皆が一番理解してると思う。メンバーたちだって仮にこのBLOGを読んで初めて知るんだと思う「あ!そうなんだ笑」って。けどちゃんと全員が表現してくれてるでしょ。本当に嬉しいよね、そう言う所。音楽やってて、プロデュースやディレクションをしてて、一番嬉しい所だよ。

 

星歴のMusicVideoではダンスってのは結構大事にしてて、実は僕、デビュー曲の「おやすみ未来と恋乙女」のMusicVideoに関して烈火の如く怒ったんだ。MusicVideoを作ることの意味、作れることの喜び、関係してくれる全ての人への敬意、全てが成ってない!って。勿論その不揃いな部分もデビューと言う意味を初々しく捉えてくれる人にはアリだと判断してもらえるのかもしれない。けれど、僕が考える星歴13夜の楽曲表現をするダンスには到底程遠かった。それは振りとかではなく、細部に意識が集中していない部分。様々なことを踏まえて公開に踏み切ったけれど…

 

今回の「哀唄日夜」どうだろう?


©︎ 星歴13夜

キメ、細部、しっかりと意識が行き渡ってる。カッコいいなぁって思う。メンバー頑張ってくれた。MVに携わる全ての人への意識を感じる。

 

さっきの大前提を踏まえてこの楽曲が”失ってしまった誰か”へ宛てたものだと言うのは理解してもらえると思うんだけど、そこで絶対に必要な要素は”表情”だよね。メンバー達の表情。失ってしまった側なのか、自分自身が失われた側なのか、僕はどちらも表現してくれたと思ってる。

 

園ほまれ

©︎ 星歴13夜

ほまれは本当に色んな表情が出来るようになった。間違っても1作目だったらこの表情は出来てない。落ちサビ後の大サビ最初の死ぬほど大切な1フレーズをほまれに歌ってもらえて良かったなと思った瞬間。こうして演者が愛を哀として捉えて表現してくれることの嬉しさを完璧に感じさせてくれた。

 

寝こもち


©︎ 星歴13夜

ここの一瞬前の瞬間「今の僕を表すかのような道化じみて」ってフレーズなんだけど、自分を卑下して嘲笑うかのような表情。とてつもねーなって思って。実際こもちはこのMVの中のどこの表情を切り取っても”歌詞を唄ってくれている”ので、ぜんぶいいけど(皆もだけど)これはぞぞぞってした。特に僕が歌詞段階から制作に入ってるからってのも大きいかも。

 

浮あかね


©︎ 星歴13夜

星歴13夜の楽曲にはイメージするメンバーがいるって言ってるけど、この楽曲のイメージは浮あかね。誰かを失ってしまって、その誰かをアウトロで想う中、この表情はもうなんと言っていいかわからないけれど”ただの笑顔”じゃないことはファンの皆が一番わかると思うんだよね。この表情を観た時に素直に「ありがとう」が出た。この作品を成り立たせてくれてこの作品を作らせてくれて。素敵な表情。

 

色とわ


©︎ 星歴13夜

作品に重みと深みを出したい時に絶対に必要になってくるのは表情そのものだけども、このとわの表情はまさにそれだった。「この両手は空を切るよ」と言う1フレーズは僕とても大好きで。大好きな人を抱きしめることが出来ない”怒り”や”苦しみ”を最高に表現してくれてる。誰に何に対して怒ったらいいのかもわからない…そんな表現をしてくれた。

 

天まうる


©︎ 星歴13夜

この楽曲の歌唱で何よりも「それ!」ってなったのがこの部分。まず歌唱が最高に最高で、これ以上のイメージ合致はなくて、消えていってしまいそうなそんな歌唱をしてくれたのに、今度はMVでもそれを魅せてくれるのか…おいおいどこまで短期間で成長するんですか…と独り言が出る程の最強カットだった。いやここはむしろ語りたくないくらい。

 

ねぇ、これ長くない?

 

書き始めたときはまだ夜中だったのに、今朝なんだけど笑 なにこれ。大変困っちゃうんだけど…今日も朝からお仕事なんだけど…泣 まぁいいか、仕方ない素晴らしいことが仕方ない笑

 

最後になるけども、大切なことを。

 

この楽曲タイトルでもある「哀唄日夜」(読み→あいかひぐらし)読めないよとかよく突っ込まれるんだけども…こんなこと言うとレーベルオーナーとして失格かもしれないけれど、世の中の人全員に読めなくていい、読めてたまるか的なところがあって…いや、違う、なんかこう言うと凄く語弊があるんだけども…君の、貴方の、メンバーの、僕らの、その物語はとても大勢の人の物語じゃないと言うことが言いたいんです。わかるかな…

 

聴いてくれる人全員を把握なんて出来ないんだけど、この楽曲は「聴いて感じてくれた人(君)の物語」だと言うこと。

 

どんな経緯で星歴13夜を知ってくれたか僕はわからないし、メンバーもわからない。けれど何かでたどり着いてくれた奇跡があって、そして今回この「哀唄日夜」と言う楽曲が出来たと言う奇跡があって、楽曲を世に放つタイミングでもうこの楽曲は”見つけてくれた君のもの”なんです。勿論これからもこの楽曲をメンバーが大切に唄っていってくれるんだけど、でもこの楽曲を取り巻く全ての物語は君の掌の上にあって欲しい。

 

全ての楽曲がそうなんだけど、その中でも特にこの楽曲はそうで。この曲をいつか恋愛なんてした時に思い出すかもしれない、恋愛してる最中や大切な人がいる最中に思い出すかもしれない、どんなシチュエーションでこの楽曲が側に居てくれるのかわからないけど、君にとって大切な曲でいられたらと思う。誰かを強く想ってる時、誰かを失ってしまった時、何かに迷った時、どんな時でもこの哀の唄を日夜共にして欲しい。”日暮らし”ではなく”日夜”と書いてひぐらしと読んで欲しい。

 

そんな想いでタイトルを付けました。

 

うん。

 

MVの解説をしたり、曲についてだったり、世界観だったり、なんかうれしかったです。僕らの日常がほんの少し帰ってきたような気がして、本当にうれしかったです。ありがとう。

 

星歴13夜 4thシングル「哀唄日夜」は、3/18(水)発売です。延期した理由は、本来皆の所にインストアイベントに行って届けられそうに無かったことも大きかった。店着日に、発売日に、LIVEを観てCDを手にとってもらいたかった。んだけど…延期したのに、昨今のこの事態のせいで、リリースイベントはほぼ壊滅状態です。仕方ない、誰も悪くない。でもさらに延期することは僕には出来ませんでした。インストアイベントは今の状況じゃ出来ないけれど、この大切な楽曲を世の中に出させてもらうことはさせてもらいたい。皆の顔を観て届けられないけれど、じゃあ、せめてMusicVideoを先に公開して、その上で作品をCD SHOPで買ってもらうと言う行為しか出来ないけれど、少しでも、気持ちが届けばいいなと、今はそんな風に思っています。


©︎ 星歴13夜

ジャケットアートワークのコンセプトは”時間を戻すことが出来れば…”です。少し今の状況と被ってしまうのは皮肉なものだね…

 

大切な楽曲、皆の胸に届くと嬉しいです。

 

よろしくお願いします。